大規模データの活用によって社会における様々な問題を解決するためのアルゴリズムについて、主に実践的・ハードウェア的な観点から調査・研究開発を行います。
問題の系統としては、大規模データの統計解析による分類・予測や、物質に対する波の透過・反射の大規模観測データからその内部構造を推測する逆問題などを扱っています。また、これらに付随して、暗号についても関心を持っています。
このような問題を解くためのアルゴリズムが、理論的にはある程度まで完成しているときに、アルゴリズムを実行するハードウェアの具体的な特性なども勘案しながら、実用レベルで改良・実装・最適化を行うのが主な仕事となります。
日常的な仕事内容は、各種アルゴリズムについて、最適なプラットフォームの調査・選定や、理論から実装に移す段階になって顕在化する問題の解決、そして実際の改良・実装・最適化、あるいは逆に、プラットフォームに合わせた最適なアルゴリズムの考案、といった作業の繰り返しとなります。自然科学の各分野における専門知識が必要となってくる場合も少なくありません。
なお、高性能計算(HPC)エンジニアをリサーチエンジニアとの比較で説明しますと、例えばリサーチエンジニアによって開発された手法において大規模な行列計算が必要となるとき、リサーチエンジニアの段階では汎用の行列計算ライブラリを利用して実証コードを書く程度ですが、高性能計算(HPC)エンジニアの段階では専用に設計・最適化した行列計算ルーチンを作成することになります。
医療、バイオインフォマティクス、暗号といった、社会的意義の大きい分野に特に注力しているため、実働したシステムを通して、自身の書いたコードが実際に社会の役に立っていることを実感できます。